アメリカ軍が9mmパラベラム弾の威力に不安を感じ、かつてトンプソン・サブマシンガンやイングラムM10で使用され、高威力の.45ACP弾を使うサブマシンガン開発計画が軍内部で持ち上がった。しかし、.45ACP弾を使う場合は発射時の反動が大きいという問題があった。そこで、スイスを拠点とするTDI社とピカティニー造兵廠が共同開発を行い、そこで誕生したのがクリス スーパーVという反動吸収システムであり、これを組み込んで誕生したのがクリス ヴェクターである。 このメカニズムはトリガーとマガジンの間に内蔵されているV字型の機構であり、ボルトおよびスライダーが下へ下がる動きになることによって、発砲時に生じる反動エネルギーを下方への運動エネルギーに変換する。さらに、銃身の軸線(ボアライン)上にグリップ位置を並べることで、反動のベクトルを銃身を跳ね上げる動きから後方へ押す動きに近いものにできる。その結果、従来とは全く異なる反動軽減が可能となり、フルオート射撃のコントロールが容易になるとされている。 他には、アンビタイプのセレクターレバーやピカティニー・レール、フォアグリップを標準で備え、アイアンサイトは光学照準器を取り付ける際の邪魔にならないよう考慮されている。マガジンは専用の17発・30発が存在するが、グロック21のマガジンも使える。
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